731部隊は6キロ四方の広大な敷地の中で、ありとあらゆる人体実験を行なっていた。 実験材料のために捕らえられた人々は「マルタ」と呼ばれ、特別監獄(7棟、8棟)に隔 離されていた。

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 731部隊は6キロ四方の広大な敷地の中で、ありとあらゆる人体実験を行なっていた。
実験材料のために捕らえられた人々は「マルタ」と呼ばれ、特別監獄(7棟、8棟)に隔
離されていた。
 日本軍の憲兵によって捕らえられた抗日組織の人々が、特別移送扱い(特移扱い)と
して731部隊に送られ「マルタ」とされた。なんら裁きをうけないまま、(731部隊の)実験
材料として死刑を宣告されたのである。
 その中に抗日組織とは無関係な住民や赤ん坊まで含まれていた。人体実験のために
犠牲となった人は3000名を超えたといわれる。


●細菌の感染実験後の生体解剖
731部隊展模型より)

●細菌の感染実験と生体解剖

 ペスト菌コレラ菌、チフス菌、炭痕菌、マラリアなどあらゆる病原菌の感染実験が行な
われた。
注射、食物に混ぜるなどして「マルタ」を病原菌に感染させ、細菌の効果やワクチンの効
き目などが研究された。「マルタ」が死に至る寸前に生体解剖も行なわれた。
 細菌が生きた人間の臓器にどのような影響を与えるのかを調べるためである。
 栄1644部隊などでは、細菌に感染させた「マルタ」の血液を全て取り出す「全採血」も行
なわれた。
 生体に感染させることを繰り返すことによって、高い毒性をもつ細菌を作り出す、細菌
兵器の開発も行なわれた。
●凍傷実験

 気候、風土の異なる地への侵略戦争にとって、風土病の克服は大きな課題であった。
 シベリア出兵の時、日本軍は凍傷に悩まされた経験をもつ。
 この凍傷の克服のために731部隊では凍傷実験が行なわれた。極寒の中国東北部で
「マルタ」を人為的に凍傷に罹らせ、「治療法」を研究した。この実験によって手足がなく
なった「マルタ」は、毒ガス実験などに「再利用」された。

●毒ガス実験

 日本軍は、中国戦線で毒ガス戦も実行した。731部隊では、毒ガスの人体実験も行な
った。ガラス張りの実験室に「マルタ」を入れ、毒ガスで死亡していく経過を映画や絵画な
どで記録していった。

●野外実験

 ハルビンから130キロ離れた安達(アンダー)には、野外実験場があった。ここでは「マ
ルタ」を柱に縛り付け、飛行機から細菌爆弾を投下し効果をみるなどの細菌兵器開発のた
めの実験が行なわれた。

●ネズミとノミの飼育

 「ノミの一匹は一台の戦車の兵力に値する」といわれ、ペスト菌に感染したノミは、強力な
兵器であった。731部隊は、ペストノミの大量飼育、すなわち細菌兵器の製造を行なった。
ペスト菌を注射したネズミにノミをたからせ、ペスト菌に感染したノミを人工的に作り出した。
このペストノミ製造のため、隊員たちはネズミの捕獲を行なった。

 松本博さん(元1644部隊員)

1644部隊では、感染実験をした”マルタ”から
全採血(身体中の血をぬきとる)した。

 “ロツ“ほまるで鳥かごのようで、高さ1m、縦約1m、幅約1m20cmくらい、大人が座っているのがやっとの広さしかありません。
 鉄棒で囲われ、床板だけが5寸角の角材をボルトで締めて敷かれていました。
 彼らは全裸でその中に入れられていました。
 一瓶ほど採血した頃、“マルタ“はものすごい痙攣を起こしました。
 もちろん“マルタ“は眠ったままです。その痙攣がおそらく死の瞬間だったのではないでしようか。採血も終わりの頃になるとガクッ、ガクッといって気泡が出てくるんですね。
 そうすると軍医といっしょに来た兵隊が靴のまま“マルタ”の心臓の上に乗り、踏みつけるんです。血をしぼり採るために…